メンタルトレーニングの考え方|ニュースレターNO.023

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5月の連休に長野県の丸子に行った帰り、松本駅の書店で「聴覚刺激で頭の回転が驚くほど速くなる」という書籍を見つけました。ざっと見たところ、CDを聞くことで脳を刺激するということです。

興味本位に買って読んでみました。結論としては、指導者向けのメンタルトレーニングの1つのように感じましたが、非常に面白いものでした。これまでメンタルの本については、アスリートのためにということで2冊ほど真剣に読みましたが、これらの3冊には共通したところを感じましたし、それぞれ役立つものであったように思います。

メンタルトレーニングの行き着く先は、いかに脳を刺激するかということになるように思います。

聴覚の刺激と視覚の刺激によって、脳細胞を活性化させるということです。以前に紹介しました『夢の実現に向けて』というのは、自分自身でプラス思考に徹する、思い込むことによって、脳にプラスの情報だけインプットするというものでした。また後一冊は、「残像カード」なるものを見続けることで、脳の中にその残像を残す。

それによって集中力が高まるというものでした。そして今度の聴覚刺激では、ハイスピードのテープを聞くことで脳神経のネットワークを築くというもので、正に思考回路を広げるということにつながるもののように思います。

これらの方法は、指導者にとっては、多方面からのアプローチを可能にし、アスリート自身にとっては理解力と集中力を高めるために役立つでしょう。どれか単独というより、それぞれの環境によって使い分けできるものと思います。

3冊の本を読んでみて、そこから共通のものを見つけ出せればさらに応用範囲が広がるものと思われます。以下に、3冊の概要をまとめてみましたので、興味のある方は是非呼んでみてください。そして感想をお聞かせ願えればと思います。

 

1.No.1理論(西田文郎、現代書林1997)

『才能も努力もツキも、脳にインプットされた記憶データが人間の優秀さを決定します。脳のでき・不出来ではなく、そこにインプットされたデータが人間の優秀さを決定するのです。160億個と言われる大脳の細胞の数も、人によって差があるわけではなく、一生に使う脳細胞は全体の5~10%で、残りは未使用のままです。

問題は脳の中身で、今までの人生でその人の脳に蓄えられた記憶データによって重大な差が出てくるのです。人の脳は、感情、イメージ、思考の3つがプラスになれば、必ず成功できる仕組みになっています。感情、イメージ、思考の全てをプラスにすることで誰でも優秀な人間になれます。

失敗の記憶は、成功よりも鮮明に脳にインプットされているのです。「楽しい」「やれる」「できる」というプラス思考の積み重ねによって、最高のパフォーマンスを発揮することができるようになります。』

 

2.思いのままに脳を動かす「残像」力(高岸 弘、講談社1997)

『ある特殊にデザインされた図柄を十数秒ほど静視した後、目を閉じると、図柄を注視しているときは勿論、開眼状態で活動しているのでβ波支配(普段の活動状態)ですが、閉眼してもそのまましばらくは「α波減弱」と呼ばれる状態、つまりβ波状態が続くということが解りました。

これは残像が見えているときです。残像が消えると完全なα波支配(リラックス状態)になり、再び残像が浮かぶと、またβ波が現われることが解りました。脳波には、その人の実力が最大限に発揮できる状態というものがあります。

そこで目的にあわせて、どの脳波状態のときが自分にとって最も良い状態なのかを把握しておき、その脳波が現われたときに、例えば「あっ」という声を出します。

このようなトレーニングを何度も続けていると、反対に「あっ」という声を出せば、自然に最も良い状態の脳波が現われるようになります。この方法は「バイオ・フィードバック」と呼ばれます。

人間は何かを表現する過程で、6つの段階を経験します。それぞれの段階において、「注意力」「観察力」「認識力」「把握力」「記憶力」「創造力」という力が不可欠です。これらを十分に発揮させるためには、「集中力」というエネルギーが必要になります。

脳は2つ以上のことを並列に処理することはできません。残像が見えているときは、それのみに集中していることの証です。余計な事を考えていると、残像は消えてしまいます。また、残像が長く残るということは、それだけ集中力が持続しているということです。』

 

3.聴覚刺激で頭の回転が驚くほど速くなる(田中孝顕、きこ書房2000)

『大脳生理学では、大脳にある「ウェルニッケ中枢」を含む言語処理領域を刺激すると、実際に「頭の回転が速くなる」ことがわかっています。「ウェルニッケ中枢」は、聞いたり読んだりしたものを『追唱』し、ブローカ中枢へと送る大脳の一部分です。

「追唱」とは、文章を読んでいるとき、文章を目で追いつつ、さらに頭の中で唱えることです。この『追唱』の上限スピードが「頭の回転の速さ」そのものであり、音声や文章を理解するとき、その理解のスピードは、「ウェルニッケ中枢」の音声処理のスピード、つまり上限追唱速度以上には決してならないので、あなた固有の上限追唱速度があなたの頭の回転速度とイコールになります。

「ウェルニッケ中枢」を刺激するには、ただ高速音声を聴くだけでよいのです。なぜなら、すべての音声や目から入った言葉は、「ウェルニッケ中枢」を通過するからです。もともと開いていて、その穴が直接、脳に通じているところは目と耳なのです。

三倍速弱まで理解できるようになれば、その分、あなたの頭の回転は速くなったことを意味します。つまり、脳神経細胞同士の結びつき(ネットワーク)の密度が高くなり、「追唱」の脳力がその分、速くなったわけです。

しかし、この効果は一時的なもので、それは「ウェルニッケ中枢」が情報の高速流入によって一時的に活性化されたためにすぎません。脳力が恒常的に高まるのは、この「速聴」を繰り返して行い、「ウェルニッケ中枢」の脳神経細胞同士のネットワークが密になったときです。

この速聴の過程で脳幹網様体も刺激され、汎化作用が生じ、全脳が活性化する。また前頭連合野なども活性化します。

こうして速聴で耳から大脳へ入力された高速音声は、すぐに「ウェルニッケ中枢」で高速処理され、大脳の関連各箇所にフルスピードで伝達されます。

「頭がキレる人間」というのは、まさにこのような脳の構造を持った人に対して与えられる言葉なのです。しかし「ウェルニッケ中枢」内のネットワークをより強化すれば、「頭がキレる人間」など、錆びついた包丁にしか見えないでしょう。』

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