高校野球の指導について-その2|ニュースレターNO.013

未分類

前回に引き続き、丸子実業高校での野球部の指導のトレーニングプログラムについて少し詳しく紹介します。野球に限らず高校生の競技者に対する指導の重要なポイントは、実質わずか2年と2~3ヶ月で最大にレベルアップしなければならないということです。

このことを考慮したトレーニングプログラム、すなわち、限られた時間で最高のパフォーマンスを発揮するためには、今、何を優先すべきか?ということを考えたものでなければならないということです。すべての活動に意味があり、無駄な時間は1分、1秒もつくらない、という姿勢が大切です。

以下に丸子実業高校の野球部が、どのような考え方でトレーニングプログラムが実施されているのか具体的に紹介しながら説明したいと思います。

 

トレーニングの考え方

まず、パワー系のトレーニングは、ウォームアップの中で行います。筋力トレーニングは朝と練習中に組み込むことにしました。練習のスタート段階では、からだも元気、頭のもすっきりしているはずですので、パワー、スピード系の練習に最適なタイミングです。

ウォームアップをからだほぐしと考えるのではなく、関節運動をした後、バランスエクササイズ、パワー系のエクササイズ、そしてスピード練習を入れ、時間があればその後にストレッチングを入れます。ウォームアップでは、スタティックなストレッチングはやらず、ダイナミックな動的な(関節)運動を十分に行います。スタティックなものやPNFストレッチングはクールダウンに入れるようにしました。

ウォームアップのパワー系のエクササイズは、主にプライオメトリックスです。それといっしょにバランスエクササイズも行います。例えば、プライオメトリックスの片足連続ホップや両足連続ホップを10~20m段階的に長くして2本というように、5~10種目ジャンプ系のものを2本ずつ行うだけでも、毎日のウォームアップでやるわけですから、その累積効果は想像以上のものがあります。

特に1年生の4月と秋の状況では、極端な変化が見られますし、3年生になるまでレベルアップが見られ、プライオメトリックスをダイナミックにやれるようになります。基本的には下肢のエクササイズが中心ですが、これが打撃やスローイング、フィールディングに多大な効果をもたらせます。

下半身から投げる、打つ、走るパワーが生み出されるのです。同時にバランスエクササイズも行うことで、フィールディングでのバランスが良くなります。

 

バランスエクササイズについて

バランスエクササイズは簡単なものです。例えば片足でホップした後、フラットに足をついて「ピタッ」と止まります。これを繰り返すだけです。いろんなやり方で数種目行います。これでプレイ中の捻挫はいっさいなくなりました。

からだづくりには、運動、食事、睡眠が何より大切です。このバランスの崩れが、結局故障や体調不良を招くことになります。コンディショニングの不良です。

現在のウォームアップ時間は、最初のジョギングから関節運動、バランスエクササイズ、プライオメトリックス、ダッシュまで40分です。この中にトレーニングの基礎となるものがあるので、練習後に特別にトレーニングの時間を設けていない、というより、不必要なのです。

では筋力トレーニングはいつやるのかというと、2回に分かれます。1つは体幹部を強化する腹筋と背筋のエクササイズで、朝練の時に行います。あと1つは、大きな筋群を強化するエクササイズで、練習の時間帯に行います。

 

練習について

現在丸子実業の野球部員は60~70人います。上田東でも丸子でも1年生も投げる、打つ、守る練習をいっしょに行いますので、グループ分けをして、サイクル化して練習を進めます。

例えば、全体の守備練習が終わったあと、打撃組、筋力トレーニング組、守備およびボール出し組の3つに分けます。そして全体の練習時間を3等分し、各30~40分間ずつ行い、ローテーションするというシステムです。

したがって筋力トレーニングも30~40分なので、3~5種目程度になり、週5~6回行えば、1つのエクササイズが週に2~3回やるようになります。時間も種目も少ないので集中できます。

監督は、新しいエクササイズを取り入れたときや、たまに状況を見る程度で監視することはありません。エクササイズのチェックは、時折ビデオをとり、それを送ってもらってチェックします。大体オフのトレーニングに入ったときです。

普通なら手抜きをしないか見張りがいると考えがちですが、このチームもそうですが、その必要はありません。なぜならやったものとやらないものの違いがわかっているからです。もっと強くなりたい、うまくなりたい、レギュラーになりたいと選手は進んでやるからです。

3ヶ月、半年経過すれば、その差が顕著に出てきます。それがわかっているので、手抜きする選手はいないし、全員がすごいレベルアップをしています。このような動機づけは部員の数が増えるほど難しい問題といえます。

1年生で脂肪太りで入学してくる選手も多いのですが、1年もたてば10~15kgもシェイプアップします。それから筋肉がしっかりして、がっちりした体つきに変身するのです。2年生以上で脂肪太りした体系の選手は一人もいません。

1年生は、太いやら細いやら、いろんな体型の選手がいますが、彼らもまた1年すれば同じような体型になり、外見から見分けがつかなくなります。

このようにからだつくり、コンディショニングを継続しているので、その成果は、プレイに見事に現れてきます。バットスイングのスピード、打球の速さ、ボールを投げる力も見違えるほど変わります。

以上のように、技術に生かす体力トレーニング(コンディショニング)をいかにプランニングするか、それが問題で、わずか2年と2~3ヶ月で最大にレベルアップしなければならないためにもそれは必要不可欠なことです。技術的な指導に付いても、身体の使い方、使う順序など、指導のポイントは自然な動きにあると考えています。

作った動きではなく、その個人の身体が持っている自然にできる動きを理解し、アドバイスすることです。それが間違っておれば、「できる」「できた」と言う結果が得られるはずはありません。正しければ、その場でできるようになるはずなのです。動きや技術の指導については、またどこかで話をしたいと思います。

この記事がお役に立てたら
いいね ! してね!

Twitter で

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。